梱包作業の効率化のポイントとは?
改善事例を交えて解説
ECサイトの増加や、配送インフラの整備により、通販業界の拡大が続き、消費者のニーズも増しており、物流の担当部門や物流を請負う企業では、より多くの出荷作業を行う必要があります。一方で、梱包作業が非効率でコストも無駄にかかっているのにも関わらず、改善がうまく進まず、なかなか効率化・コスト削減を成功させることができていないのが実状ではないでしょうか。そこで今回は、通販事業を行う方のために、梱包作業改善のコツと課題解決のポイントを解説します。
目 次
1.梱包作業改善で行うべきことは
梱包作業を改善するためには、どのようなことを行うとよいのでしょうか。主な改善の流れをご紹介します。
1.作業環境の見直し
まず、梱包作業の効率化のために、作業環境を見直すことが重要です。例えば、梱包台に無駄がないか、作業がしやすい状態になっているかなどを確認する必要があります。
例えば、梱包台の高さは適切かどうか、無駄なスペースはないか、何度もしゃがむ、何度も資材を別の場所に取りに行くなどの無駄な動きがないか、パッケージの選定に時間を要していないか、ミスが発生しやすい工程はないかなど、見直すポイントはたくさんあります。こうした無駄やミスの発生源をできるだけ多く見つけることが重要です。
2.無駄・非効率の削減
無駄や非効率な部分、ミスの発生源などを洗い出したら、その無駄な工程や非効率な状況を減らせないか、よりよいやり方に変えられないかなどを検討します。そしてそれぞれを改善すれば生産性が自ずと上がります。例えば、無駄をいくつも削減した結果、1日あたり5~6人分の作業時間の削減につながったケースも実際にあるのです。小さな改善を積み重ねることで、大きな改善につながります。
3.システム導入を検討
方法を変えるという改善をさらに発展させ、システムを導入するといったことも考えられます。例えば、組み立てづらい小さなパッケージを機械で効率的に梱包できるシステムや、材料面積を多く使用するパッケージを効率的にサイズダウンするシステムなどが挙げられます。これらのシステム導入は、成功すれば効率化、省力化にもつながるため、人件費削減も期待できます。
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2.作業環境だけではない改善の課題「人手不足」
前述までの改善のポイントでは、作業環境や方法に改善点がないかどうかを紹介してきました。しかし、その他に、もう一つ大きな課題となっているのが、「人手不足」の問題です。
新型コロナウイルス感染拡大以前から、物流業界では人手不足が深刻な課題となっていました。トラックドライバーや物流倉庫の作業員不足などが挙げられます。特に梱包作業においては作業量が増える一方で、安定的な人材の確保がむずかしくなっており、作業者のレベルがまばらになってしまい、人により作業効率に差が出るといった属人化の問題や、一人では組み立てが困難なサイズの梱包作業に、十分な人数の人材を割り当てるのがむずかしいなどの問題も実際に多くあります。
そこへ来て、コロナ禍により物流量が増すことにより、さらに追い打ちをかけるように人手不足の問題が深刻化しているケースもあります。
人手不足が続く中、梱包作業の改善において、作業の属人化を防ぎ、安定した品質と作業効率が実現できる環境作りは欠かせません。実際、雇用を増やすために作業員の待遇をよくしようと環境整備を行っている事業者も出てきています。
3.システムの導入で梱包作業の改善が可能
では、梱包作業の改善において、作業の属人化を防ぎ、安定した品質と作業効率が実現できる環境作りとは具体的にどのような方法があるのでしょうか。それに最適なのが、システムの導入です。
システムと言っても、大掛かりな導入を考えるとかえって手間とコストがかかる上に、作業員の教育にもコストがかかることもあります。ですから大掛かりなものではなく、現在の自社に合ったスケールで導入することで、スモールスタートではじめるのをおすすめします。
作業を全自動化すると導入コストや工数が大きくかかってしまいますが、半自動化であればコストや工数を抑えつつ、梱包作業の改善を進めることができるためです。
関連情報:包装改善で梱包作業の省人化・省力化を実現
例えば、日本トーカンパッケージの「トーカンアシストBOX」と「Eco Quick BOX(エコクイックBOX)」は、梱包作業の半自動化を実現する最適なシステムです。
●トーカンアシストBOX
トーカンアシストBOXは、EC市場向けに開発されたパッケージ&梱包システムです。
物流現場の様々な課題解決を「アシスト」する総合ソリューションです。
トーカンアシストBOXは日本トーカンパッケージが開発したパッケージ&梱包システムです。
宅配用配送箱せ商品を梱包作業で、梱包作業の効率化、人手不足を補う組み立て作業支援、組み立てが難しいサイズ作業支援に役立ちます。
特にポストインサイズの配送箱は、サイズも小さく、取り扱いが難しい配送箱の1つです。
トーカンアシストBOXを活用すれば、効率よく、同品質で組み立て作業ができます。
特に人手不足においては、複数人で梱包作業をしているケースもあるでしょう。そういった場合でも、トーカンアシストBOXは一人当たりの梱包作業効率を向上させることができるので、少ない人員で作業でき、人員削減にもつながります。
そして、人手不足ということもあり、安定的な作業や作業人員確保のために高い労務費を支払うケースもありますが、トーカンアシストBOXのシステムを導入することで作業が安定化することから、人手不足を心配する必要がなくなります。
組み立て支援システムにはセミオートタイプ、マニュアルタイプがあります。オプションで給紙ロボットを連動させることも可能で、お客様の現場にマッチした「アシスト」ができます。
●Eco Quick BOX(エコクイックBOX)
Eco Quick BOX(エコクイックBOX)は、日本トーカンパッケージが自社開発した梱包支援システムです。イーコマース用パッケージの組立作業の省人化・省力化を実現するものです。
(2019年日本パッケ―ジングコンテストで包装技術賞/包装アイデア賞を受賞しました)
日本の宅配便市場における宅配用パッケージの寸法規定を受け、パッケージのサイズダウンを検討することは至難の業です。そこで、その決められた寸法規定の中で、日本トーカンパッケージが独創的な発想から開発したのが、このEco Quick BOX(エコクイックBOX)です。
例えば、Eco Quick BOX(エコクイックBOX)では外形サイズを変えずに、包装資材の面積だけを減らします。従来の包装資材の面積を100%とした場合に、Eco Quick BOX(エコクイックBOX)なら面積を77%にすることができるので、結果的に面積比が23%ダウンすることになります。これは、パッケージの罫線を工夫し、生産ベースで紙のロスを極限に減少させた結果です。これにより、人件費やパッケージのコストダウンを実現できます。
また、Eco Quick BOX(エコクイックBOX)は、手動タイプとセミオートタイプの2つのタイプを準備しており、セミオートタイプでは作業の半自動化が実現します。人手で作業する場合とEco Quick BOX(エコクイックBOX)で作業する場合とでは、当社比で「1箱につき約9秒」のパッケージ組み立て時間の削減が実現できます。
Eco Quick BOX(エコクイックBOX)の詳細はこちら
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●ECスリムカートン(製函機タイプ)
ECスリムカートン(製函機タイプ)は、特にポストインタイプの高さが低い配送箱の改善に効果があります。
従来ワンタッチ箱では解消できなかった課題が、このECスリムカートンでは形態改善をベースに梱包システム化し、パッケージとシステムの連動でコスト改善を実現する総合システムです。
ECの配送箱でポストインタイプや60サイズをご使用されているお客様を対象にラインナップしたのがECスリムカートン(製函機タイプ)です。
従来の配送箱の課題解決を目指し、形態の変更(底面の凹凸を解消)、組み上げられた配送箱が納入され資材スペースが拡大してしまった、自動化を検討したが初期投資コストが大きく自動化を断念したなどの課題に一緒に取り組まさせて頂けるのが、ECスリムカートン(製函機タイプ)です。
マイクロフルートも連動させた包装改善に取り組めば梱包ラインだけではなく、物流全体のコストダウンも可能になる梱包システムです。
ECスリムカートン(製罐機タイプ)の製品カタログのダウンロードはこちら
また、日本トーカンパッケージはタクテック社と共同開発したEC・通販用の自動梱包ラインソリューションもご提案が可能です。
●自動梱包ライン
自動梱包ラインは、ピッキング、検品、製函(箱組)、梱包・封函、ラベリングなどの各工程を自動化・システム連携し、物流・梱包作業の大幅な効率化を実現できるソリューションです。
日本トーカンパッケージの自動梱包ラインは、ライン全体の一括導入だけでなく、部分的に自動化を行って各既存システムを繋げることも可能なため、自社の状況に合わせて最適な自動化を実現することができます。
今後さらに伸長すると予測されているEC市場の拡大に伴い、物流企業が抱える「省人化」、「自動化」の課題解決をサポートし、競争力向上に繋げます。
自動梱包ラインの詳細は、是非以下よりご覧ください。
ピッキングからラベリングまでワンストップ
EC・通販用配送箱の自動梱包ラインソリューション
製函から送り状貼り付けまでを自動で対応
4.システム導入で梱包作業を改善した事例
●EC(通販)に特化した梱包組立治具の導入で、梱包作業効率と包装形態の改善を実現
急成長するイーコマース(通販)市場に対応し、省人化・省力化を実現する包装システム「トーカンアシストBOX」。作業効率改善と包装形態の改善で、イーコマース物流コストの削減を実現した事例を紹介します。
●EC(通販)に特化した半自動梱包システムの導入により、包装資材と梱包作業のコストダウンを実現
2019年日本パッケージングコンテストで2019 包装技術賞/包装アイデア賞 を受賞した「Eco Quick BOX(エコクイックBOX)」。その独創的な設計思想とシステム設計で、包装資材と梱包作業のコストダウンを実現した事例をご紹介します。
●小型発送箱と自動梱包ラインの導入で、商品の保護性と作業効率の大幅アップを実現
日本トーカンパッケージのEC・通販向け自動箱組システム「Eco Quick BOX(エコクイックBOX)」とタクテック社の自動梱包・ラベリングシステム「Pals」により、梱包業務の全自動化に成功した事例で紹介します。
さらに、日本トーカンパッケージの小型箱を資材に採用したことにより、発送時の商品の保護性も大きく向上させることに成功した事例となっております。
5.パッケージにも注目
梱包作業改善と併せて、パッケージにも注目することをお勧めします。
パッケージの改善は、梱包作業時間の短縮はもちろん、環境対応、商品の保護性向上という観点でも重要な役割を果たすためです。
まず、梱包作業時間は、物流作業の一部であり、その効率化が全体の生産性向上につながります。適切なパッケージを使用することで、梱包作業がスムーズになり、作業時間を短縮することが可能です。例えば、簡単に開閉できる箱や、自己粘着タイプの梱包材を使用することで、箱を組み立てたりする時間を大幅に削減できます。
次に、パッケージの改善は、資源の節約にもつながります。例えば、サイズが適切な箱を使用することで、必要以上の充填材を使用することなく、環境負荷の軽減にも寄与します。
また、パッケージの改善は、商品の保護にも寄与します。適切なパッケージを使用することで、商品輸送中の衝撃から保護することが可能となり、商品の破損や返品を防ぐことができ、顧客満足度の向上や再配送によるコスト増を防ぐことができます。
最後に、日本トーカンパッケージが生産するマイクロフルートというパッケージをご紹介します。マイクロフルートは、軽量でありながら強度が高く、商品をしっかりと保護することが可能です。また、その薄さと強度から、必要以上の充填材を使用することなく、商品を安全に梱包することができます。
さらに、マイクロフルートはほぼ平らな状態で納入されるため、保管場所を取らず、物流倉庫のスペース効率も向上します。環境負荷の軽減にも貢献するマイクロフルートは、パッケージの改善において非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
以上のように、パッケージの改善は、作業時間の短縮、資源の節約、商品保護の強化という三つの観点から、EC物流倉庫における作業の効率化に貢献します。これらは、物流コストの削減とサービス品質の向上に直結し、結果的にはビジネスの競争力向上に寄与します。
関連コラム:マイクロフルート(Gフルート)の基礎知識
6.まとめ
梱包作業の人手不足に悩む通販事業を行う方に向け、役立つ情報をご紹介してきました。まずは今回ご紹介した梱包作業改善の手順を実施し、どこで最も無駄や非効率が発生しているかを見極めるのをおすすめします。その上で、当社のシステムはそうした小さな課題を半自動化により解決します。ぜひ検討されてみてください。