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コラム

物流コストの削減方法と失敗しないポイントを事例を交えて解説

物流コストの削減方法と失敗しないポイントを事例を交えて解説

インターネットの普及に加え、キャッシュレス化が進み、そこへデジタル技術の進化とライフスタイルの変化が新しい生活様式を作り出したことで、"荷物を自宅まで配送してもらう"という行為の垣根が大きく下がりました。通販業界の規模拡大はさらに進んでいく見込みです。そのような中、通販の主軸となっているネット販売業においては、売り上げ拡大のために物流コストの削減が欠かせません。特に物流コストを削減したいときには、どんなコツがあるのでしょうか。今回は、通販事業を行う方が物流コストの削減で検討すべきポイントをご紹介します。

1.物流コストとは?

物流コストの削減方法と失敗しないポイントを事例を交えて解説

物流コスト削減を考える上で、まずは物流コストとは何かということを確認しておきましょう。
物流コストとは、お客様が商品を購入した後、お客様へ商品を届けるまでの過程においてかかる、すべてのコストのことです。その内訳には次のものがあります。

●運送費
運送費は、荷物を目的地まで運ぶ費用のことです。運送手段によって費用は変わってきます。例えば、宅配事業者による運送であれば、運賃が運送費となります。運送費は各事業者ごとに異なります。他に、自社所有の配送便にかかる運賃や、専属運輸のチャーター便利用にかかる運賃、航空便の運賃、船で海外に輸送するときの運賃などがあります。

●保管費
保管費は、商品を保管する倉庫のスペースなどを利用するのにかかる賃借料や、保管商品の管理費、入出庫費など、保管に関わる費用です。

●荷役費
荷役費は、倉庫や物流センターなどから荷物を入荷・出荷する際にかかるコストです。倉庫に入庫するときの入庫費、出庫するときの出庫費、梱包費、シール付け・タグ付け・プレス加工などの流通加工費、入庫された商品の検品作業、贈答用にかかる熨斗(のし)や包装の作業費などがあります。輸出の場合には通関料、取扱手数料、関税などの費用も含まれます。

●人件費(物流管理)
物流を管理する際にかかる人件費です。入出荷作業や伝票発行などの業務が相当します。

2.物流コストの高騰が与える影響

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物流コストが高騰する背景には、原油価格の上昇や運送業界の人手不足、EC市場の成長に伴う配送需要の増加などがあげられます。物流コストの高騰は、ビジネスの利益率に大きな影響を与えており、物流コストの削減は企業の存続にとって、重要な課題となっています。

●原油価格の上昇
原油価格の上昇は、配送トラックのガソリン代から船舶の重油費用まで、物流の各段階で影響を及ぼし、結果として消費者の負担増にもつながります。この価格上昇は、運送会社から小売業者まで、さまざまなビジネスにおける物流コストの高騰の要因となっています。

●運送業界の人手不足
トラックドライバーや倉庫スタッフなどの人手不足が深刻化する中、企業は高い給与で、人材の採用や引き留めをしようとし、その結果として、物流コストの口頭に繋がっています。またトラックドライバーの高齢化に伴う退職が加速する一方で、若年層の就業者が減少しており、人員確保が大きな課題となっています。

●EC市場の成長に伴う配送需要の増加
インターネットの普及により、オンラインショッピングは日常化し、それが配送需要の増大を招いています。特に、スピーディな配送を求める声が高まる中、物流業界は迅速な対応を迫られています。また商品の多様化により、細分化された物流ネットワークが必要とされるため、物流コストの高騰要因となっています。

物流コストの高騰は、価格転嫁や利益率の低下といった直接的な影響だけでなく、サプライチェーン全体の効率性を損なうことによる、長期的な影響も懸念されています。企業は、物流コストの削減のために在庫管理の最適化やルートの効率化、さらには輸送手段の見直しといった戦略を迫られています。

また、物流コストの高騰は消費者行動にも影響を及ぼし、価格感度の高い顧客が他社製品へと流れる可能性もあります。こうした状況下で、企業は価格競争力を保ちつつ、品質やサービスで差別化を図ることが求められています。

物流コストの高騰には、企業側・消費者側に大きな影響がある一方で、避けられない課題となっており、物流コストの削減のための対策を進めていく必要があります。

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3.物流コスト削減の方法と失敗しないためのポイント

物流コストの削減方法と失敗しないポイントを事例を交えて解説

物流コストを削減する上で、どの種類のコストをどう削減できるかを考える必要があります。削減のポイントは、それぞれのコストをいかに削減するかにあります。ここでは、まず物流コスト削減の方法をご紹介します。

●物流コスト削減の方法

1.物流工程・システムの見直し
物流全体の工程やシステムを見直すという方法です。例えば、物流管理システムを導入したり、アウトソーシングを検討したりする方法があります。
物流管理システムとは、すべての物流、もしくは一部の物流をシステム上で管理することにより、人件費やミスの削減に加え、管理業務の効率化により、コスト削減が見込めます。また物流業務のアウトソーシングを行うことで、結果的にコスト削減となることもあります。

2.人件費の削減
物流における配送や倉庫管理の業務にかかる人件費は、物流コスト全体を見ても大きいため、見直す価値のある費用です。コスト削減のポイントは、無駄な作業を見つけ出し、手作業を極力減らして人手を減らす、物理的に作業スペースの改善を行って作業効率を上げることにより、短時間でスムーズに作業ができるようにして時間を減らすなどの方法があります。

3.保管費の削減
保管費の削減のポイントは、商品の在庫管理を見直すことにあります。商品の在庫が多すぎる・少なすぎるなどが生じれば、保管スペース利用の無駄が発生してしまいます。在庫管理をしっかりと行い、それに見合った保管スペースを確保することで最低限のコストで運用できます。

4.輸送費の削減
輸送費の削減のポイントは、ルートの最適化や輸送効率の上昇があげられます。GPSやAIを活用し、物流拠点から、最短かつ渋滞を避けるルートを選定することで、燃料費や時間のロスを削減できます。また輸送効率を上げるために荷物の積載率を最大化し、トラック一台あたりの輸送量を増やすことで、輸送回数を減らし、結果としてコストダウンに繋がります。

●システム導入時に失敗しないためのポイント
上記の4つの削減ポイントにおいて、すべてにかかってくるのが物流管理システムの導入であり、多くの企業がすでに導入し、活用しています。しかしシステムを導入する場合は、失敗しないためにも、次のポイントを検討することが重要です。

1. 導入の目的は何かを明確にする
まずは何よりも先に、システム導入の目的を明確にすることです。漠然とコスト削減のために導入しても、何を改善することでコスト削減につながるのかが明確でないと成果が出にくくなるためです。例えば、「人件費を減らすために管理業務をシステムで一括管理する」といったように、具体的な目的を明確にすることで、その目的を達成できるシステムの条件が自ずと出そろいます。

2.自社の作業に合ったシステムであるか検討する
システムを導入すれば、そのシステム導入によって従来の作業内容が変わってくることもあります。またシステムを操作する、もしくは現場の作業員が、システムをうまく取り扱えない、かえってやりづらくなるといったケースもあるため、注意が必要です。現場作業やリテラシーに合ったシステムであるかは、重要な検討条件です。

3.既存のシステムとの連携の可否
物流コストの削減に新しいシステムを導入する際、既存システムとの連携は重要です。これは、データの一貫性を保ち、情報のリアルタイム共有を実現するためです。連携がうまく行かないと、情報が断片化し、プロセスが非効率になり、結果的にコスト削済の目的が達成できなくなる恐れがあります。

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4.スモールスタートでも物流コストの削減が可能

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先述の物流工程・システム全体の見直しにおいて、システムの入れ替えや、アウトソースの活用などさまざまなアプローチ方法があるとご紹介しました。しかし一方で、システムを導入すると導入コストが高くつき、コストに見合ったほどの改善が見込まれないということも多々あります。

そうした失敗を避けるポイントがあります。それは、物流コスト削減を進める際に「パッケージの見直し」や「半自動化」などを検討することです。実は、予算や工数を抑えながら、スモールスタートで改善を行うことができるのです。

例えば、日本トーカンパッケージの「トーカンアシストBOX」と「Eco Quick BOX(エコクイックBOX)」は、それを実現できます。

●トーカンアシストBOX
トーカンアシストBOXはパッケージの組み立て作業を「アシスト」するパッケージ&梱包設備です。
日本トーカンパッケージが開発したトーカンアシストBOXは物流現場の課題解決を目的に開発しました。
時間短縮、人手不足を補う組み立て支援、一人では組み上げられない超大型パッケージ、箱の高さが低く組み上げにくいECパッケージの組立作業の簡易化など、さまざまな梱包作業の場面で役立ちます。
例えば、ネット通販で利用するパッケージの組み立てに専用の人員が必要であり、梱包作業の人件費が高くついているといったケースや、パッケージの大きさなどにより、人手の作業では効率が悪いなど、作業時間が無駄に多くかかっているケースがありますが、そうしたときにも、トーカンアシストBOXならコスト削減につなげることができます。

トーカンアシストBOXの詳細はこちら

●Eco Quick BOX(エコクイックBOX)
Eco Quick BOX(エコクイックBOX)は、日本トーカンパッケージが自社開発した梱包支援設備で、日本における宅配用パッケージの寸法規定の中で、独創的な発想から生まれた開発パッケージです。省人化とともに、パッケージのコストダウンを実現できます。
例えば、パッケージ面積比を23%ダウンさせることができ、コスト削減が実現した事例があります。従来のパッケージのサイズダウンのむずかしさを簡単に解決します。また、初期導入コストを低減させるため、木枠を使用した梱包冶具の利用も可能です。
(2019年日本パッケ―ジングコンテストで包装技術賞/包装アイデア賞を受賞しました)

Eco Quick BOX(エコクイックBOX)の詳細はこちら

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5.日本トーカンパッケージのサービスによる物流コストの削減事例

物流コストの削減方法と失敗しないポイントを事例を交えて解説

日本トーカンパッケージのサービスでもある、トーカンアシストBOXやEC・通販向け自動箱組システム「Eco Quick BOX(エコクイックBOX)」を導入し、物流コスト削減を実現した事例を紹介します。

●トーカンアシストBOXの活用事例
あるイーコマース(通販)事業者では、梱包作業における、人手不足と人件費の高騰などの物流コストの上昇、商品破損という課題を抱えていました。

その課題を解決するために、日本トーカンパッケージ株式会社の「トーカンアシストBOX」を導入しました。
その結果、作業の効率化による梱包コストの削減と、配送時の安全性向上を実現することができました。その他にも、トーカンアシストBOXに使用するパッケージは、底面が平坦になっているため、資材の保管効率も上がり、保管スペースの削減が可能となり、結果として、物流コストの削減を実現しました。

関連情報:イーコマース(通販)の物流コスト削減事例

●Eco Quick BOX(エコクイックBOX)の活用事例
大手商社系物流企業では、商品の発送数が増える一方で、袋タイプの発送資材による商品の破損リスクが高まっており、また人手不足の中での手作業による箱組み作業は、生産性の低下と物流コストの高騰が課題としてありました。
この課題を解決するために、日本トーカンパッケージ株式会社の「Eco Quick BOX(エコクイックBOX)」と株式会社タクテックの「PaLS」を活用した、自動梱包ラインの構築を進めました。
その結果、商品保護性が大幅に向上し、配送時のダメージリスクが低減されたことで、顧客への信頼性が高まりました。また、製函作業の自動化により、手作業が不要となり、省人化による物流コストの削減と生産性の向上を実現しました。

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6.まとめ

物流コストの内訳やコスト削減のポイントなどをご紹介してきました。現在、物流コスト削減施策で最も注目を集めるのが、物流管理や物流作業を効率化するシステムの導入です。しかし、高いコストをかけても改善されない失敗も考えられます。その点、パッケージの見直しや半自動化などを検討することでスモールスタートするという方法は、失敗を避けるためにもおすすめの方法です。

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