EC物流とは?
市場動向とパッケージの改善ポイントも解説
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外出自粛や非対面・非接触のショッピングのニーズが生じる中、ECが活性化しています。これまでECは手つかずだった業界・業種の参入がここ1~2年の間で一気に進んだことで、よりEC物流が注目を集めています。
今回は、EC物流の市場動向のほか、現在、多くの企業が抱える課題と共に、課題の一つであるパッケージ改善のポイントを解説します。
目 次
1.EC物流とは?市場動向・トレンドを解説!
●EC物流とは?
EC物流とは、EC、つまり電子商取引に取り組む企業が、ECを実施する際に必要な物流工程のことです。自社ですべて運用している場合もあれば、アウトソーシングで専門業者や物流倉庫に委託する場合もあります。
EC物流は、主に「商品の入庫、検品、棚入れ・保管作業、受注後のピッキング、流通加工、梱包・出庫作業、返品対応」といった流れで行われるのが一般的です。
●EC物流の市場動向
EC物流の最新トレンドとしては、新型コロナウイルス感染症の影響が大きいところとなります。とくに小売業は実店舗への客足の減少や時短要請などから厳しい状況に直面しており、ECへと活路を見出しているケースは少なくありません。そうした背景から、EC物流市場も活性化しており、物流施設の空室率が過去最低となるなどの状況もあり、物流施設の建設が進んでいます。またECに取り組むものの、知識不足や人手不足で自社ではEC物流の運用・管理がままならず、専門企業に物流をアウトソーシングする流れも出てきているため、一層、EC物流市場の活性化につながっていると考えられます。
米国も大手EC企業もここ数年で次々と物流施設を拡大しており、コロナ禍のEC活況に対応しています。また、世界の物流施設内での無人搬送車やピッキングロボットなどの物流ロボティクスの市場規模も伸びており、日本でも今後、ロボット化・自動化の物流DXの推進も加速していくものと考えられます。
これからのEC市場で勝ち抜いていくためには、増加するEC需要を背景に、EC物流をいかに効率化し、コストを抑えていくか、そしていかに競合他社との差別化を実施していくかがポイントとなってきます。
2.EC物流のよくある課題
ここで、EC物流のよくある課題をご紹介します。
●受注から発送までに時間がかかる
ECの特徴は、商品の配送を伴うところにあります。注文の商品数は限られていても、配送先が多いため、その受注から発送まで時間がかかりすぎてしまうというのは、よくある課題といえます。
●作業ミス発生・在庫管理の煩雑化
商品の入庫から棚入れ、ピッキング、棚卸しまでのすべてのEC物流工程において、作業ミスの軽減や在庫管理の効率化についても重要な課題となります。
●規模拡大に比例した業務負荷の増大
コロナ禍で需要が増えたことで、受注量が増えていることは喜ばしい一方で、規模拡大に際して、人手不足などもあり、業務負荷が増えるという面もあります。
●競合他社との差別化が必要
EC需要が高まっているのは他社も同様です。自社ECを選んでもらうためには、商品開発・商品選定などの観点のほか、梱包、つまりパッケージやギフトラッピング、同梱物などの面からの差別化も求められます。
●パッケージのコスト増
梱包にこだわりたい一方で、コスト面に関して言えば、パッケージ代や梱包コストがかさんでおり、削減したいというケースもあります。
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3.EC物流のよくある課題「作業工程面」の改善ポイント
●物流の業務フローの見直し
業務効率化・コスト削減のためには、無理・無駄など、問題がある工程を見つけ出すことが欠かせません。物流の業務フロー全体を細かく見直すことが重要になってきます。
●作業ミス軽減・効率化のための環境改善の実施
業務フローを見直した後は、物理的に、作業ミスが発生しない環境を作り出すことも必要です。後述しますが、自動化・ロボット導入なども検討することができます。また、梱包の効率化のために、パッケージそのものを見直すのも一つの方法です。単純に梱包材料を減らして工程を減らす、梱包の時間を短縮できる梱包が簡易な梱包パッケージに切り替えるといった方法があります。
●EC物流システムの導入
受注処理について、アナログ管理で実施している場合は、受注処理の一元管理が行えるシステム導入も、大きな効率化につながる可能性があります。
●自動梱包機械(梱包支援システム)、ロボットの導入
作業の自動化・ロボット化は、人手不足やミスの軽減の効果が期待できるため、近年注目を集めています。梱包に時間がかかっており、人手不足が懸念される場合は、自動で梱包するシステムやロボットの導入を検討するのも一つの方法です。
関連情報:梱包自動化システムの導入で梱包作業を改善する方法>>
●物流アウトソーシングの利用
EC物流をアウトソーシングする方法もあります。委託する業務範囲は様々ですが、委託することによって業務効率化と、専門的な知見や技術を活用することによる品質の高いEC物流が実現します。
4.パッケージの改善ポイント
続いて、先に挙げた課題のうち、「梱包・パッケージの差別化」のための改善ポイントをご紹介します。
●ポストインタイプのパッケージで配送業者との非対面受取にする
顧客の自宅のポストに投函するタイプのパッケージを導入することで、玄関口における配送業者との商品受け渡しの対面やりとりがなくなり、感染予防策になります。顧客はより気軽に注文できるようになるでしょう。
●オシャレなデザインのパッケージにする
梱包の段ボール箱のデザインや印刷がオシャレだったことで、リピート購入する消費者もいるといわれています。また、オシャレな箱は、受け取ったときの第一印象を向上させられるため、満足度も高まるでしょう。同時にブランディングの効果もあるため、自店舗やブランドを覚えてもらいやすく、「また次も同じ店で買いたい」と思ってもらえる可能性が高まります。
●商品を傷めないよう、緩衝材を活用する
顧客を喜ばせるポイントとして、商品を傷めないよう、緩衝材を工夫するのも一つの方法です。過剰包装はコストや作業効率の面では相反することですが、顧客にとっては安心して買い物ができるため、好評価につながります。必要以上に丁寧な緩衝材で梱包されていたということで、好感度がアップした事例もあります。
●エコ素材を活用する
包装資材全般にエコ素材を活用することで、地球環境及びSDGsへの達成目標への貢献につながり、企業としてのCSR活動の一環となります。またエコ素材利用による企業イメージ向上のメリットも期待できます。例えば、段ボールをリサイクル素材に切り替える、包装資材が削減されたパッケージを採用するなどの方法があります。
●コストダウンとなる包装資材のパッケージに切り替える
包装資材のコストを抑えることが考えられたパッケージに切り替えることで、コスト効率化が期待できます。また、その分、顧客サービス向上のための業務にコストを回すこともできます。結果的に自社と顧客、双方にメリットが期待できます。
5.まとめ
EC市場が世界的に、急速に拡大する中で、EC物流市場も活性化しています。EC物流の課題を解決していくことで、スピードアップ・ミス軽減が実現し、より優れたサービス提供が可能になります。それが差別化につながり、収益につながっていくでしょう。
また、パッケージを改善するアプローチについても、差別化やコストダウン・効率化に有効です。EC物流に関して、ぜひあらゆる面からの改善を行うのをおすすめします。
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