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物流ロボットとは?種類や導入事例、課題を徹底解説

物流ロボットとは?種類や導入事例、課題を徹底解説

倉庫や配送センターなどで、荷物の移動・仕分けなどの作業を自動化するために使用される「物流ロボット」。2019年の新型コロナウイルス拡大以降の全世界的なECの普及により、慢性的な人手不足が続いている物流業界において大きな注目を集めています。本記事では、「物流ロボット」の市場規模から種類、用途や最新の導入事例まで詳しく解説いたします。

1. 物流ロボットの市場規模

まず初めに、物流ロボットの基本情報から見ていきます。

●物流ロボットとは?
物流ロボットとは、物流業務の効率化を目的に設計されたロボットの総称です。これらのロボットは、ピッキングや仕分けといった単純作業を自動化し、人手不足や業務効率の向上に貢献します。最新のテクノロジーを駆使し、正確かつ迅速に作業を行うため、倉庫や物流センターでの運用が広がっています。

●物流ロボットの市場規模
矢野経済研究所が2021年に発行したマーケットレポート「2022年版 物流ロボティクス市場の現状と将来展望」によると、2021年度の物流ロボットの市場規模は約240億円となっております。2022年度は前年度比123.4%の299億8,000万円と予測しており、コロナ禍を経て、戦略的に物流ロボットを導入する企業が増加していることが示唆されました。

また、2018~2020年度に先を見越して物流ロボットを導入した企業が、自社の別拠点に物流ロボットを展開する流れや、今後新設する拠点に向けロボットを導入する動きも見られ、今後も物流ロボットの市場規模は拡大する見込みとなっています。

2. 物流ロボットの種類と用途

現在、倉庫内では様々な物流ロボットが活用されていますが、その中でも多くの企業で導入されている、代表的な物流ロボットの種類と用途をご紹介します。

●AGV(自動搬送ロボット)
AGV(Automated Guided Vehicle)は、無人で搬送や運搬を行う移動ロボットです。床に敷かれた磁気テープやQRコードを読み取り、その経路に沿って自動で走行します。決まった経路しか走行できないという制約はありますが、その分導入が容易で、さまざまな工場や倉庫で利用されています。

AGVは、工場内での部品搬送や物流現場での定期的な搬送作業に適しており、従来は人が行っていた作業を効率的に代替します。荷物を上に載せたり、けん引したりして運ぶことができ、運ぶ物の大きさに応じてAGVのサイズも多様です。

●AMR(自律走行搬送ロボット)
AMR(Autonomous Mobile Robot)は、自律的に移動しながら工場や倉庫内での搬送作業を行うロボットです。AGVとは異なり、AMRは磁気テープや誘導線などの物理的なガイドが不要です。これにより、既存のインフラに大きな変更を加えずに導入が可能となります。

AMRはレーザーや画像認識などの高度なセンシング技術を駆使し、周囲の環境や障害物を検知します。障害物があった場合でも、AMRはそれを回避し新たなルートを再計算する能力を持っています。そのため、AMRは人と共に作業エリアを共有しながら安全に協働することが可能です。

●GTP(棚流動型ロボット)
GTP(Goods To Person)は、ピッキングや棚入れを行う作業者の元へ自動で棚を運ぶことで、作業効率を大幅に向上させる物流ロボットです。従来のピッキング作業では、作業者が倉庫内を移動しながら商品を取り出す必要がありましたが、GTPの導入によりこの移動が不要になります。

また、棚エリアは無人化できるため、照明を最小限に抑えることができ、電力消費を削減することが可能です。さらに、作業者が棚に行く必要が無くなるため、作業効率を大幅に向上させることが可能です。

●自動倉庫との違い
自動倉庫は、倉庫の自動化のことで、全ての作業を無人化できるシステムのことです。これに対して、物流ロボットは、搬送やピッキングなど特定の作業をロボットが担当し、人との協力を前提としています。
物流ロボットは比較的低コストで導入でき、既存の倉庫レイアウトにも柔軟に対応ができるため、柔軟性と費用対効果の面で優れている点が特徴です。
一方、自動倉庫は無人化を追求したシステムで、作業効率に優れていますが、導入コストや設置スペースが大きな課題となります。

3. 物流ロボットの導入事例

次に物流ロボットを導入している企業から、導入事例をご紹介します。

●Amazon
神奈川県相模原市にある、Amazonの物流倉庫であるフルフィルメントセンター(FC)では、約3,000台の物流ロボットと、約3万5,000個のポッド(専用の商品棚)が稼働しているが、格納スペースの効率化により、従来の固定棚と比べて最大約40%も多く在庫を保管することができている。

倉庫内の作業者は、移動することなく画面の指示通りに作業すれば良いため、時間短縮とともに作業ミスも防いでくれています。

●FedEx Express
FedEx Expressでは、シンガポールの南太平洋地区に、AIを導入した貨物仕分けロボットを導入しています。AI を搭載した貨物仕分けロボットは、1時間に最大1,000個の荷物を選別することができます。また、1回につき最大5kgまで運搬することができ、最大100の仕向地の荷物の取扱いが可能なため、人力の作業に比べ、大幅に作業効率を向上させています。

●Walmart
Walmartでは、アメリカ・ニューハンプシャー州にある約2,000平方メートルの倉庫で自律走行ロボットを活用しています。オーダーを受けた商品をロボットが棚まで取りに行き、それをカゴに入れて従業員がいるワークステーションまで運ぶ。また、棚と棚の間に敷かれたレールの上を走行できるため、人の手が行き届かない場所への運搬も可能になっています。

Walmartは作業の一部をロボットに任せることで、作業プロセス全体を合理化し、効率的なシステムを形成できています。

4. 物流ロボットの課題

物流ロボットの導入には大きなメリットがありますが、同時に課題もあります。ここでは、導入に先立ち事前に知っておきたい課題について見ていきます。

●導入・メンテナンス費用が掛かる
物流ロボットの導入には、初期コストだけでなく、ランニングコストやメンテナンス費用もかかります。例えば、新しいシステムやロボットを導入する際には、自動化する業務の範囲などによりコストが大きく変わります。そのため、導入前にはこれらの費用を詳細に計算し、実際に物流ロボットがコスト削減に寄与するかを明確にすることが重要です。

●運用ルールやマニュアル作成が必要
物流ロボットの導入において、運用ルールやマニュアルの作成は欠かせません。これらをしっかりと整備し、スタッフに周知徹底することで、社内の認識を統一することができトラブルの防止や迅速な対応が可能です。また、新入社員や新しく入社した社員への説明や研修もスムーズに行えるようになり、業務の効率化にもつながります。運用ルールやマニュアルの作成には時間とコストがかかるため、作成に必要なリソースや負担の程度を事前に計算し、計画的に進めることが重要です。

●柔軟性が限られている
倉庫のレイアウトや製品の種類が頻繁に変わる場合、ロボットがそれに適応するのが難しいことがあります。例えば、新しい製品ラインの追加や既存の製品配置の変更があった場合、人間の作業員であれば迅速に対応できますが、ロボットは再プログラミングやハードウェアの再配置が必要となります。このような柔軟性の欠如は、特に変化の多い物流現場においては大きな課題となり得ます。

物流ロボットの導入を検討する際には、このような課題を十分に考慮し、適切な対策を講じることが重要です。

5. まとめ

本コラムでは、物流業界において大きな注目を集めている「物流ロボット」について詳しく解説しました。物流ロボットの導入は、作業効率を向上させるだけでなく、人が行う作業のミスの軽減にもつながります。今回ご紹介した情報を参考に、物流ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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