クロネコゆうパケットとは?他サービスとの違いや利用メリットをわかりやすく解説
近年、ECサイトや個人間取引の増加に伴い、小型荷物の配送需要が急増しており、小さな商品を迅速かつ効率的に届けることが求められています。そんな中、ヤマト運輸が提供する「クロネコゆうパケット」は、そのニーズに応える新たな配送サービスとして注目を集めています。
しかし、クロネコゆうパケットがどのような配送サービスなのか知らない方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、クロネコゆうパケットの詳細や使用するメリット、「ゆうパケット」「ネコポス」「クロネコゆうパケット」との違いについて詳しく解説します。
1. クロネコゆうパケットとは
クロネコゆうパケットは、ヤマト運輸が荷物を預かり、日本郵便に差し出し、日本郵便の配送網を活用して荷物をお届けするサービスです。
このサービスは、籍・衣類・CDなどの小さな荷物を送ることができ、特にECサイトでの活用や小型商品を個人間取引で送る際に便利です。
サイズは3辺合計60cm以内、厚さ3cm以内、重量1kg以内の荷物が対象となります。
配送日数は通常2〜3日程度(一部地域を除く)で、全国一律料金で提供されています。料金は、荷物のサイズや重量によって異なりますが、比較的リーズナブルな価格設定がされています。送り方も簡単で、ヤマト運輸の営業所やコンビニエンスストアで受け付けています。また、専用の送り状を使うことで、スムーズに発送手続きを行うことができます。
●クロネコゆうパケット開始の背景
クロネコゆうパケットが開始された背景には、物流業界が抱える社会問題があります。
複数ある要因の中で特に大きな要因に、2024年問題によるトラックドライバー不足の問題、環境問題(カーボンニュートラル)への貢献があります。これら物流をめぐる各種社会課題の解決に貢献し持続可能な物流サービスを推進していくため、ヤマト運輸と日本郵便は2023年6月に協業を締結し、その取り組みとして開始されたのが「クロネコゆうパケット」になります。
これにより、2023年10月からヤマト運輸のネコポスサービスは順次終了しており、2024年末を目途に廃止される予定です。
2.「ネコポス」「ゆうパケット」「クロネコゆうパケット」の違いとは
「ネコポス」「ゆうパケット」「クロネコゆうパケット」は、それぞれ異なる特徴を持つ配送サービスです。ここでは、それぞれのサービスの違いを明確にするために、主要なポイントを比較してみましょう。
※横にスクロールします。
ネコポス (今後廃止してクロネコゆうパケットへ移行) |
ゆうパケット | クロネコゆうパケット | |
---|---|---|---|
利用対象者 | 法人あるいはヤマト運輸と契約のある 個人間取引サイト(メルカリ・ヤフオク等)で 取り引きする個人 |
指定なし | 法人あるいはヤマト運輸と契約のある 個人間取引サイト(メルカリ・ヤフオク等)で 取り引きする個人 |
サイズ | <上限>縦:31.2㎝以内・横:22.8㎝以内 <下限>縦:23㎝以上・横:11.5㎝以上 |
3辺合計60㎝以内 長辺34㎝以内 |
<上限>縦・横・厚さの3辺合計: 60㎝以内で、長辺:34㎝以内 <下限>縦:14㎝以上・横:9㎝以上 |
厚み | 2.5㎝以内 ※一部のフリマ・オークションサイト等を 利用の際は、厚さ3㎝までの対応が可能 |
3㎝以内 | 1㎝以内、2㎝以内、3㎝以内 |
重さ | 1Kg以内 | 1Kg以内 | 1Kg以内 |
料金 | 全国一律料金 上限385円(税込) |
厚さ1㎝以内 = 250円 厚さ2㎝以内 = 310円 厚さ3㎝以内 = 360円 |
全国一律料金(上限) 1㎝以内:上限250円(税込) 2㎝以内:上限310円(税込) 3㎝以内:上限360円(税込) ※数量などの諸条件に応じて価格変動 |
発送方法 | ヤマト持込 or ドライバー渡し | 日本郵便持込 | ヤマト持込 or 日本郵便持込 |
ラベル | 専用ラベル(手書き不可) | 専用ラベル(原則手書き不可) | 専用ラベル(手書き不可) |
配達 | ヤマト運輸 | 日本郵便 | 日本郵便 |
お届日 | 3日以内 | おおむね差出日の翌日~翌々日 (遠方は数日~1週間程度) |
おおむね差出日の翌日~翌々日 ※ヤマトから日本郵便が 引き受けた日を起算として |
サービスの主な違いは提供元と、提供元の違いによるお届けまでの期間、料金体系、利用対象者です。
提供先に関して、「ゆうパケット」と「クロネコゆうパケット」は日本郵便が関与しているため、郵便局での取り扱いが可能です。一方、「ネコポス」はヤマト運輸が単独で提供しているため、ヤマト運輸のネットワークを利用します。また、クロネコゆうパケットの場合、ヤマト運輸から引き受けた日を起算日とするため、時間を有する可能性があります。
料金体系に関してもゆうパケットでは厚さに対して料金が変動するため、小型の荷物を発送する際はメリットになります。
また、利用対象者において、ゆうパケットのみ個人での利用ができる状況ですが、今後、クロネコゆうパケットでも、メルカリをはじめとした個人間取引サービスでの利用が可能になることが明らかとなっています。
これらのように、各サービスの特徴を理解し、目的や用途に応じて最適な配送方法を選ぶことが重要となってきます。
3. クロネコゆうパケットを利用するメリット
次に、クロネコゆうパケットを利用するメリットを紹介します。
●365日対応
クロネコゆうパケットは365日対応しているため、いつでも利用可能となっており、郵送も日本郵便が担当しているため、安定した配送が期待できます。これにより、ビジネスや個人利用においても、安心して大切な荷物を送ることができます。
●配送料金の削減
クロネコゆうパケットは荷物の厚さによって料金が変わるため、2cm以内の荷物であれば、ネコポスよりも安く発送できます。このような料金設定は、小さな荷物を頻繁に送る個人や企業にとって非常に魅力的です。
●再配達が不要
クロネコゆうパケットは基本的にポストに投函されるため、再配達の手間が省けます。これにより、受取人は自宅にいなくても荷物を受け取ることができ、配達員も再配達の手間を省くことができる双方にとって非常に便利なサービスです。
●その他~法人契約によるメリット~
1. 運賃の掛払いができる
法人契約を結ぶことで、発送するごとに支払うのではなく、後から1か月分をまとめて支払う運賃の掛払いが可能となり、経理処理が簡便になります。
また支払方法も、銀行振込や口座引落、クレジットカードに振込票などが選択できるのもメリットです。
2. 発送伝票の簡便化・履歴管理
ヤマト運輸が提供する「ヤマトビジネスメンバーズ」を利用することで、既存のPCとプリンターで発送伝票の発行や履歴管理が簡単に行えます。これにより、配送状況を一括で確認できることや、送付先の情報を一元管理することができ業務効率の向上が期待できます。
3. 定時集荷に来てくれる
定期的な集荷数の見込があれば、依頼をしなくてもきまった頻度で集荷に来てくれるため毎日の発送業務がスムーズに行えます。特に日々の送付物などの荷物を発送する企業にとって、このサービスは非常に便利です。
4. 実績に応じ単価が安くなる場合がある
発送量が増えていった場合、発送実績に応じて、運賃が割引される場合があるようです。あくまでも発送量次第ですが、増えてきた場合は、担当の営業所と交渉をするのもよいでしょう。
4. まとめ
本コラムでは、新たな配送方法として注目されているクロネコゆうパケットについて詳しく解説しました。
クロネコゆうパケットは、郵便受けに配送されるポストイン用の小型荷物の配送において多くのメリットがあり、特にECサイトの運用している企業にとっては法人契約を結ぶことで、運賃の掛払い、発送伝票の簡便化、定時集荷など、業務効率を大幅に向上させることが可能です。
また、日本トーカンパッケージでは、クロネコゆうパケットを配送する「配送箱」を自動組立することで、発送業務を効率化する「エコクイックBOXシステム」を提供しております。
EC向け小型製函機は「資材のトータルコストの削減や箱組み工程の自動化ができるソリューションとなり、発送業務を自動化することでさらなる効率化や人件費の削減が期待できます。詳細については、ぜひサービスページをご覧ください。
また、物流業務で悩みごとがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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