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2030年に向けた物流無人化とは?その無人化の種類や対応策をご紹介

2030年に向けた物流無人化とは?その無人化の種類や対応策をご紹介

最近、物流業界では「無人化」というワードをよく目や耳にすることが多くなりました。ロボットやAI(人工知能)は各業界で利活用が進んでおり、物流業界における無人化を目指すための利活用も進んでいます。
今回は、物流無人化の概要と具体的な手段、物流倉庫における無人化の対応策について解説します。物流倉庫の効率化で課題をお持ちの方に役立つ内容となります。ぜひご一読ください。

1.物流の無人化推進について

現在、日本では政府主導で物流の無人化が推進されています。

●ポストイン配送サービス例
ポストイン配送サービスの例としては、日本郵便の「ゆうメール」や「ゆうパケット」「クリックポスト」「レターパックライト」など、佐川急便の「飛脚メール便」などがあります。

2017年に、政府は「人工知能技術戦略会議」において、ものづくりや物流、医療介護の現場の効率化を進める構想を示しました。中でも物流に関しては、2030年を目途に自動運転トラックやドローンなどを活用して、物流現場を完全無人化する目標を打ち出しました。

無人化とは、物流や交通などをAI(人工知能)などの技術を用いて刷新することを指します。

●物流無人化が目指されている背景
なぜ、物流無人化が目指されているのでしょうか。主な背景はトラックドライバーを中心とした物流業界の深刻な人手不足にあります。

国土交通省によると(※)、トラック業界で働く人のうち約45.2%は40~54歳である一方で、29歳以下の若年層は全体の10%以下に留まっており、高齢化が進んでいます。また他の産業と比較して低賃金・長時間労働であることから、働く環境を改善しなければ、ますます人手不足は深刻化していくとされています。

このような中、一刻も早く対応策を進める必要があり、その有望な手段の一つが機械による自動化であり、機械やシステムが人間の代わりに作業する仕組みを作り出すことが求められているのです。

また「物流2024年問題」も大きな要因となっています。物流2024年問題とは、働き方改革関連法において2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働が上限960時間(1ヵ月あたりに直すと80時間)に制限されることに伴って発生する諸問題を指します。

稼働時間が減ることで輸送量の減少につながり、運送会社の売上減が懸念され、運賃の上昇など物流業界全体におけるリスクが生まれてしまうことから、業務効率化と共に、コスト削減の必要性も迫られています。

今後、ECを含めた全体の国内物流量がさらに増える見込みもあることから、物流無人化は非常に重要な課題解決策の一つといえます。

※国土交通省「トラック運送業の現状等について

2.物流無人化の手段

続いて、物流無人化の具体例をご紹介します。

●自動運転トラック
トラックの運転を自動化し、人間が同乗して監視しながら半自動化、もしくは人間が同乗せず、完全に自動運転化を進めることが目指されています。自動運転トラックにカメラを十数台、センサーを数か所に取り付け、車間距離などを測定しながら自動運転を行います。
トラックの自動運転化により、夜間の輸送も実現することから、トラックドライバーの長時間労働の削減にもつながります。

●自動配送ロボット・ドローン
宅配便を各家庭に届けるまでのラストワンマイルと呼ばれる工程について、自動配送ロボットやドローンの活用により無人化が目指されています。自動配送ロボットが自宅の前まで自動で走行し、待ち構えていた受け取る消費者は自動配送ロボットに内蔵されたロッカーのようなボックスを開け、中に入っている荷物を取り出します。すでに国内では実証実験が行われており、実用化に向け進められています。

●物流倉庫の自動化
物流倉庫の無人化は、各工程においてロボットやシステムを用いた形で進められています。

・自動倉庫システム
自動倉庫システムは、物流倉庫内にある、パレットやコンテナ、段ボール箱などの荷物をクレーンやシャトル台車が倉庫内を搬送して必要な場所まで運び、棚入れするなどして仕分け・保管する倉庫全体を自動化するシステムです。すべてコンピュータで管理できるので、人員を大きく削減できます。

・自動搬送ロボット
自動搬送ロボットは、その名の通り、自動で倉庫内の荷物を搬送するロボットです。あらかじめ床に設置された誘導材に沿って走行する「AGV(Automatic Guided Vehicle/無人搬送車)」と呼ばれるものや、自律して走行ができる「AMR(Autonomous Mobile Robot/自律走行型搬送ロボット)」と呼ばれるものがあります。人による操作は不要で、荷物の搬送を完全に自動化することができます。

・ピッキングシステム
ピッキングシステムとは、ピッキングを自動化し、完全無人化を実現するシステムです。自動で商品のある棚までロボットが行き、必要な商品をピッキングしてきます。近年は、ハンドリング作業まで自動化し、AIなどを搭載して、アイテムを集めたり、揃えたりすることができるピッキングシステムも登場しています。

・無人フォークリフト
無人フォークリフトとは「AGF(Automated Guided Forklift/無人搬送フォークリフト)」と呼ばれるもので、人が操作することなく、無人でフォークリフトを作動させて作業を行うロボットです。

センサーやGPS(Global Positioning System/全地球測位システム)などによって制御されており、自動で障害物を避けながら荷物の搬送ができます。フォークリフトを運転するにはスキルが求められ、事故も多発していることから、無人化によって人的コスト削減と同時に労働安全にもつながります。

・自動製函機や封函機
自動製函機や封函機とは、梱包作業の工程の一部を自動で行う機械です。梱包作業には、段ボール箱を組み立てる作業、箱に商品を詰め込む作業、緩衝材を入れる作業、封函する作業などがあります。このうち、箱を組み立てる作業を自動化する機械を製函機と呼び、封函する作業を自動化する機械を封函機と呼びます。

例えば、日本トーカンパッケージのソリューション「Eco Quick BOX(エコクイックBOX」では、EC向けのポストインサイズの配送箱などを自動で箱組みすることができる製函機を用います。1分につき20ケースを製函できる高速運転により、人間が行うよりも大幅に作業効率化が実現します。

また、人間が行うのと比べて製函ミスがなく、連続作業による長時間製函が可能であるため、省力化・人的コスト削減に加えて、製函の品質向上と維持、生産性向上のメリットが得られます。

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3.物流倉庫の無人化の対応策

物流無人化は、現在、各所で研究開発が進められており、2030年までには大きな変化が期待できるでしょう。現時点において、物流倉庫の無人化を進めるに当たって、どのような対応が求められるでしょうか。ポイントとなることをご紹介します。

●課題に応じた目的を設定
業界全体で完全無人化が目指されているとはいえ、ただ無人化ロボットを導入すればいいというわけではありません。現状課題をとらえ、優先順位をつけて無人化に着手していくことが大切です。そして課題解決によってどのような状態を実現したいのかを明確にすることが第一歩といえます。人手不足を補うため、荷量の増加に対応するため、人的ミスを減らすためなど目的を設定しましょう。

●コストパフォーマンスを重視する
無人化システムやロボットを導入する際の初期コストに懸念がある方も多いのではないでしょうか。重要なのは、コストパフォーマンスを考えることです。無人化が成功すれば、省人化や業務効率化、ヒューマンエラーの削減などの副産物を多く得ることができます。それらを加味した上で、自社の状況と照らし合わせ、長期的な視野で見積もることがポイントです。

また、システムやロボットはまずテスト的に導入するなどして、効果検証から始めるのもおすすめです。徐々に自社の目的を達成するには何が必要なのかが具体的に見えてくるでしょう。

●業務フローの再構築など体制づくりも重要
完全無人化を実現するには、システムやロボット導入だけでなく、体制づくりも重要になってきます。例えば、システムやロボットを現在の工程に組み込む必要があることから、現在の業務フローを洗い出し、どこを無人化することで効率化できるのかを探りながら、最善のフローを再構築しましょう。

●導入後も効果検証を行い、PDCAサイクルを回す
システムやロボットは導入して終わりではありません。効果が出ているかをよく確認することが大切です。そして、目標を達成できなかった場合に、どうすれば達成できるのかを検討し、改善策を実施するといったPDCAサイクルを回していくことが重要です。

4.まとめ

2030年までに目指されている物流の完全無人化は、着々と進められています。物流倉庫での無人化を検討する際には、多くの課題が生まれるでしょう。

その際には、日本トーカンパッケージが「トーカン エコパ シリーズ」を通じて貴社の課題解決のご提案を行わせていただきます。テスト導入支援のほか、コスト最適化などの効果的な導入提案なども行っていますので、お困りの際にはぜひお気軽にご相談ください。

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