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コラム

段ボールの材質とは~適切な段ボール選びでコスト削減~

段ボールの材質とは~適切な段ボール選びでコスト削減~

段ボールは私たちの生活の中で身近な梱包材であり、物流においては欠かせません。その段ボールの需要が高まりコストが上昇すると同時に、脱プラが進み環境にやさしい包装資材の選定が求められています。こうした中、各社は段ボールのコストダウンの取り組みを行っています。
そこで今回は、段ボールの材質の特徴から、適切な段ボール選びによってコスト削減するためのポイントをご紹介します。

1.段ボールの市場動向

近年、段ボール市場が拡大しています。どのような背景があるのか、また世間の動向を確認しておきましょう。

●拡大が予想される段ボール市場
近年、段ボールの需要が増しています。減少傾向にあった段ボール市場において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まった2020年にさらに減少傾向となりましたが、2021年は巣ごもりによるEC需要増を背景に、ダンボールの生産量は上昇傾向にあり、2022年も同様の傾向が続くことが予想されています(※1)。

段ボールの需要が拡大している背景として、段ボールがほぼ100%リサイクル可能で汎用性が高いという特徴も関係していると考えられます。SDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティへの意識の向上や脱プラスチックへの取り組みが進む中で、環境にやさしい包装資材である段ボールの需要が高まっているのです。

●なぜ、段ボールコストが上がるのか
一方で、2022年に入ってからは製紙会社による段ボール原紙1kgあたり10円以上値上げなどの段ボール原紙の値上げニュースが相次いでいます。これを受け、段ボール製品の製造・販売会社の中には、段ボール製品の価格改定に踏み切っているところもあります。
こうした段ボールのコスト上昇の背景には、世界的な段ボール需要の高まりや原燃料価格、諸資材価格、物流コストの上昇などがあるといわれています。

●軽量化が進む段ボール
このような状況を受け、段ボールの軽量化が進んでいます。

段ボールの軽量化とは、段ボール1㎡当たりの質量を減少させることをいいます。
段ボールは、保管や輸送時の積み上げ数や輸送方法、及び輸送距離などの要件に応じて個別に設計されています。
データによれば、段ボールの質量は1990年では664.1g/㎡だったところ、20年後の2010年には629.4g/㎡となり、5.2%軽量化されています(※2)。

なぜ段ボールは軽量化が進んでいるのでしょうか。その背景として、段ボールをはじめとしたパッケージ全体の軽量化が進んでいることが挙げられます。

その理由の一つが、日本政府が2022年4月1日より「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」を施行したことです。同法律では、プラスチックを使用する材料を極力減らしたり、包装を簡素化したり、プラスチック以外の素材へと代替したり、再生利用が容易な材料を使用したりすることが求められています。
また容器包装の「3R+Renewable」も推進されており、プラスチックごみとなるものを減らす「Reduce(リデュース)」、繰り返し使用する「Reuse(リユース)」、原材料として再生利用する「Recycle(リサイクル)」、再生素材等に切り替える「Renewable(リニューアブル)」にも取り組まれています。

このように、段ボール需要の高まり、そして段ボールのコスト上昇、脱プラの必要性を受け、各企業が梱包材をはじめとしたパッケージ材質の見直しを図り、環境配慮をしながら、同時にコストダウンへの取り組みを始めているのです。

※1 全国段ボール工業組合連合会「2022 年(令和4年) 段ボールの需要予測」
※2 全国段ボール工業組合連合会「段ボールの軽量化とリサイクル」

2.適切な段ボールの材質選びでコストダウン!

段ボールについても軽量化によるコストダウンへの取り組みが進んでいます。そこで、段ボールのコストダウンにおける有効な対策をご紹介します。

◆段ボールの構造や材質の違いを知ろう
まず、段ボールの構造や材質の違いを知っておくことをおすすめします。なぜなら、用途や収納する物品の種類によって段ボールの適切な材質を選ぶことが重要であるためです。

・段ボールの厚み「フルート」
段ボールは厚みによって種類が分けられます。厚みを判断するためには「フルート」という単位を覚えておきましょう。そもそも段ボールは、「表の紙」「裏の紙」と「中芯」の3つでできており、表の紙と裏の紙の間に中芯を挟む構造を持っています。中芯は波打っている部分のことを指します。この波の高さが高いほど、段ボールの厚みは増します。フルートとはこの中芯の波のことを指します。段ボールのフルートは5mmほどのこともあれば、3mmほどのこともありますし、1.5mmほどのこともあります。そのフルートの厚さによって名称がつけられています。例えば、約5mm厚のフルートは「Aフルート」、約3mm厚のフルートは「Bフルート」、約1.5~1.6mm厚のフルートは「Eフルート」、約0.9mm厚のフルートは「Gフルート」と呼ばれています。

・段ボールの表面の紙の強さ「ライナ」とは
もう一つ、段ボールの材質選びで気にしておきたいのが「ライナ」です。ライナとは、段ボールの表の紙と裏の紙のことを指します。それぞれ別名「表ライナ」と「裏ライナ」と呼ばれます。ライナの強度は、バージンパルプの材質が多ければ多いほど高くなり、古紙が多ければ多いほど低くなります。バージンパルプが多めのライナを「K6」や「K5」。古紙が多めのライナを「C5」と呼びます。

このように、段ボールにはさまざまな厚さや材質があり、それぞれコストも変わってきます。そのため、コストダウンのためには収納する商品などの物品に応じて、最適な厚さや材質の段ボールを選ぶことが重要です。

◆マイクロフルートはコストダウンしやすい
先にご紹介したGフルートやEフルートなどの比較的薄い段ボールのことを「マイクロフルート」と呼びます。このマイクロフルートは、コストダウンを図りやすい段ボールです。マイクロフルートの特徴と共に、どのようにコストダウンが図れるのかをみていきましょう。

1.製造工程の削減によるコスト削減が可能
マイクロフルートの中でも極薄のGフルートは、製造工程の削減が可能です。通常、商品に使用する段ボール箱は、デザイン性に優れた見た目にするために、コート紙を段ボールの片面に貼り合わせ、そのコート紙に対してコートボール印刷を行ってから合紙加工を行います。一方、Gフルートは表面平滑性が高く、印刷適性に優れている特徴を持つため、直接印刷する「ダイレクト印刷」によって高精度な印刷表現が可能です。
つまり、従来は「コートボール印刷と合紙」を行っていた製造工程が、「ダイレクト印刷」のみで済むため、製造工程の削減につながります。これにより、製造コストダウンが期待できます。

2.納品外装箱の削減によるコスト削減が可能
マイクロフルートは、納品外装箱の削減にもつながります。納品外装箱とは、商品を納品するときに商品を入れた内装箱を外側から梱包する箱のことです。Eフルートを用いて内外装一体箱を作って用いることで、外装箱は不要になります。これにより、コストダウンが期待できます。

3.板紙と同じ薄さで板紙より強度アップ
マイクロフルートのうち、Gフルートは板紙とほぼ同じ薄さです。しかしGフルートは板紙よりも強度の面では強いため、板紙の代わりに使用することで、強度を高めることができます。これにより、これまで強度が理由で板紙の梱包箱に入れることができなかった商品も入れることができるようになる可能性があります。また加工技術によって総重量ダウンも実現できたケースもあります。これにより、さらにコストダウンにつながります。

3.日本トーカンパッケージのマイクロフルートとは?

日本トーカンパッケージは、国内では数少ないマイクロフルート(Gフルート)の製造一環メーカーであり、マイクロフルートを活用した製品を数多くご提案してきました。
マイクロフルートは段ボールでありながらオフセット印刷が可能であるため、商品箱の見た目が重要な食品・携帯電話・家電製品・ギフト製品向けなど、幅広い用途にご利用いただいています。

コスト削減のご提案も可能であり、例えばパッケージを従来の板紙からマイクロフルートに替え、強度アップと総重量ダウンを同時に実現した事例もあります。
関連情報:マイクロフルートの詳細はこちら>>

また当社の強みは、ただマイクロフルートなどのパッケージをご提供するだけでなく、システムとパッケージが連動した総合ソリューションによって課題解決のご提案ができる点にもあります。マイクロフルートを活用し、梱包する商品に最適な包装を提供できるソリューションの一例として、マイクロフルートを活用したEC向けのパッケージと梱包システム「トーカン エコパ シリーズ」があります。これにより、マイクロフルートによる物流コストの削減や省人化・省力化の実現をサポートしています。
関連情報:トーカン エコパ シリーズの詳細はこちら>>

4.まとめ

段ボールの材質の特徴と共に、適切な段ボール選びによってコスト削減するためのポイントをご紹介してきました。段ボールの需要が高まる中、上昇するコストに対応していくために、ぜひ今回ご紹介したポイントをヒントにされてください。
ご希望であれば、日本トーカンパッケージのマイクロフルートやそれに伴うソリューションによるコスト削減のご提案をさせていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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