紙器の印刷とは?
グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷の違いを解説
印刷色の掛け合わせ
特色を使用しないプロセス印刷工程では、カラーインクの「三原色」と、墨文字や画面を引き締める為に必要な「黒」インクを加えた4色カラーの掛け合わせで印刷を行います。
※特色とは、特定の色を調合したカラーインク。(鮮やかなピンクやオレンジなどで使用)
3原色の掛け合わせ (再現体験)
① Y イエロー= 黄色
② M マゼンタ= 朱色
③ C シアン = 藍色
三色の色を加えていくと墨(黒)になります。
オフセット印刷はこの方法で印刷されます。
Y・M・Cの三色を混ぜても真っ黒(④)にはなりません。
この三色に墨(K)を加えて印刷します。
オフセットの基本色は、この四色になります。
5 = 紫色
6 = 緑色
7 = 金赤
カラー写真の再現と印刷見当
カラー写真をオフセット印刷で再現するためには、三原色にデータを分解しなければなりません。本来は、この三原色で再現されるはずですが、理想的色調に再現するため、三原色が重なり合った部分の墨を追加して作製し四色にしてオフセット印刷するのが基本です。
分解された四色は、精度のある重ね合わせをする事で、本来のカラー写真に再現されます。この重ね合わせ精度を見当と呼び、見当精度がカラー写真のキーポイントになります。現在では、CTPシステムが導入され、コンピューターによる制御で再現性が著しく向上しています。
カラー写真(OK)
カラー分解
見当ズレ(NG)
紙器製品の印刷工程は、紙器製品の命を吹き込む最重要工程です。印刷工程の仕上がりの良し悪しで製品パッケージの美映えが変わり、「商品価値」を左右しかねません。印刷は、お客様より承認(校了)頂いた校正紙に基づき、忠実に再現していきます。印刷工程の中で、重要なポイントを占めるのが、掛け合わせによる「色の再現」です。再現性のポイントは多々ありますが、重要なのは見当精度の確認です。
印刷見当とは、印刷色の各版・印刷された各色などの位置を意味します。この見当精度が悪い場合、再現された印刷デザインが綺麗に再現されず、呆けたような感じになります。また、文字などは2重に見えたりと紙器製品の価値を低減させる現象が発生します。
目 次
1.印刷について(オフセット印刷)
オフセット印刷は、現在の印刷方式の中で最も標準的に使用される平版(へいはん)印刷の一種です。主に、書籍印刷、商業印刷、美術印刷など幅広いジャンルで使用されており、世界中で供給されている商業印刷機の多くを占めています。オフセット印刷(おふせっといんさつ、英: Offset printing)は、印刷技術のひとつです。実際に印刷イメージが作られている版と紙が直接触れないのが特徴です。版に付けられたインキを、一度ゴムブランケットなどの中間転写体に転写(offset)した後、紙などの被印刷体に印刷するため、オフセット印刷と呼ばれています。 オフセット印刷の大半が平版(へいはん)を用いて行われているため、オフセットと言えば平版オフセット印刷のことを指すようになりました。略して「オフセット」「オフ」と呼ばれることが多い印刷です。
- 版式
- 平版印刷(パッケージ印刷の主流)
- 原理
- ①刷版工程にてPS版(感光層を塗布してある薄いアルミ板)にポジフィルムを被せ感光させ、油性インキの付く部分(画線部)と水の付く部分(非画線部)を作ります。
※弊社ではより高精度・高再現性が可能であるCTP(ダイレクト刷版装置)を使用。 ②刷版工程にて作成したPC版を印刷機に巻き付け、先に水を浸してから油(インキ)を付け、画線部だけにインクが載るという水と油が反発する性質を利用した印刷方式です。
- 特徴
- 繊細な印刷、小ロット対応が可能。版代は安価。(ポスター・カタログ等の印刷にも対応)
2.印刷について(フレキソ印刷)
フレキソ印刷には、1枚1枚に直接印刷するフレキソダイレクト印刷と巻き取り原紙に直接印刷するプレプリント印刷があります。フレキソダイレクト印刷は小ロット向け、巻き取りプレプリント(フレキソ)印刷は大ロット向け製品の印刷に適しています。日本トーカンパッケージの紙器部門では、巻き取りプレプリント(フレキソ)印刷の世界でも、美粧性を追求し、デザインの再現が可能なように設備改良を行っています。
- 版式
- 凸版印刷
- 原理
- 凸版はその名の通り、画線部(インキが付く部分)が印鑑のよいうに左右逆像の凸状になっている。凸部にインキが付き、紙に反転され正像となり再現される。近年樹脂版素材の高品位化、デジタル製版(レーザー光線)により、従来の段ボール印刷とは異なる高品位な印刷を再現。
- 特徴
- プレプリント方式(50~130線)
グラビア・オフセット印刷に迫る高品位
ダイレクト方式(60~80線)
新聞の写真印刷程度の精度を表現
3.印刷について(グラビア印刷)
グラビア印刷とは、一般的に凹版印刷に区分されます。シリンダ-(版)にインキを転移し,ドクターブレードで版の表面のインキをそぎ落とします。シリンダ(版)は,クロムメッキ処理することにより、耐久性を持ち、印刷速度の速さとその耐久性から、大ロットの印刷に適しています。グラビア印刷の特長は、凹版部の深さ・形状により、インキの転移量の調整が出来、細かい濃淡の表現を再現することに優れています。イニシャルコストが他の印刷方法に比べて高く、大ロットの製品で多用される印刷方式です。
- 版式
- 凹版
- 原理
- 画線部(インキが付く部分)が非画線部(インキが付かない部分)よりも低く陥没している版で、凹部に残ったインキを紙に転写する方式。凹の大きさ(網点)と深さで階調を表現する。
- 特徴
- 巻き取り印刷が主流で大ロット製品に対応、高生産性である。見当精度はオフセットに若干劣る。版代は高価である。
日本トーカンパッケージのグラビア印刷が重要視されていますが、市場では圧倒的に油性グラビア印刷が継続採用されています。
日本トーカンパッケージのグラビア印刷機は水性・油性の双方で印刷する事が可能です。環境対策として水性グラビア印刷が重要視されていますが、市場では圧倒的に油性グラビア印刷が継続採用されています。